生きていく中で、もがき苦しむ時間程、辛いものはなく、時にそれは無意味で、無価値にさえ思えてしまう事さえあります。
人生に伴う〝痛み〟や〝苦しみ〟は、もどかしさと言う名の心の葛藤となり、いつも僕らを悩ませるのです。
そんな葛藤さえなければ、この素晴らしい人生をもっと、もっと前に進めるはずなのに、いつもそれに縛られ、時に心は潰されそうにひしゃげてしまうものです。
心が勝手に創り出している〝葛藤〟ですが、それは脳の帯状回という場所と関係が深く、心で葛藤するたびに活性し、葛藤がないとあまり活性化をしないという事が言われています。
心理学や脳科学で〝嘘について〟幾つもの実験が行われいるようです。平気で嘘をつく人の脳の中で何がおきているのか?
脳の帯状回の活動が著しく低い人程、平気で嘘をつける、嘘をつく事に全くと言って良いほど葛藤がない結果が出ているようです。
言葉を変えると、葛藤という名のジレンマは、正直さ、誠実さ、潔癖さ、純真さのリトマス試験紙でもあるのです。
昨日の自分がキライな貴方も、あの時の決断に未だ納得がいかない貴方も、今日の太陽が今の私には眩しすぎる貴方も…。
それみんな帯状回が人間らしく活動してくれている証なのです。
帯状回なんて知らねぇ、活動が低く平気で自分にも他人にも嘘をつける人生の方が良いと思う方もいるかもしれません。そんな人生もあるでしょうが、僕はこの苦しみが、例えずっとあったとしても、正直さを携えた人生を送りたいと思っています。
アナトミック骨盤ヨガのポーズの中で、ポーズを解くか解かないかという決断に迫られる時があります。
『早めに解こうかな?』『まだキープ出来るけどこんなものでよいかな?』『誰も見てないから程々でよいな!』
ヨガフェスタという年に一度のイベント。アーサナ中湧き上がる言葉の最後に、
『だけど私、それで良いのかな?』と、疑問の言葉を付け加えてみてください。
貴方の心に〝ジレンマという名の葛藤〟が湧き上がり、その葛藤と向き合う瞬間をアーサナで創り上げていきませんか!
葛藤を乗り越えた向こう側に、何が待っているでしょうか?
正直さだけを携えた者だけに、放たれる光は本当にあるのでしょうか?
救いの涙は美しいものなのでしょうか?
シミ一つない真っ白のキャンバスよりも、幾つかのシミがあったほうが、キャンバスの白はより鮮明に映えると言われてます。
輝く人生とは、葛藤という幾つものシミをキャンバスに付ける事かも知れません。